中古で買うアルファ・ロメオ・スパイダー916型 V6か2.0ℓTSか 故障/価格は? GTVも
公開 : 2018.04.29 18:10
年式ごとの違い
この記事で解説するスパイダーは、152psの4気筒2ℓのツインスパークエンジンを搭載する。気筒当り点火プラグが2本あるためこう呼ばれる。10万km点検の予算を組む際には思い出してほしい。パワーは5速マニュアルのギアボックスを通じてフロントに伝えられる。マニュアルのみでオートマティックはない。
2001年には223psの3ℓ24バルブV6が加わり、ギアも6速になった。さらに2004年には243psの3.2ℓに置き換わった。このV6エンジンはアルファ・ロメオの中でも傑作のひとつである。スムースでトルクフルで、アクセルを踏み込むとぞくぞくするようなエグゾーストノートを発する。
ツインスパークで悩みの種だったテンショナーの問題も解決されている。TSではベルト類の交換間隔は11万6000kmから5万8000kmに短縮されていたのだ。そうはいうものの、このツインスパークは力強くレスポンシブでスムースなエンジンである。したがって、しっかり点検さえすれば何も心配はない。
スパイダーは1998年にフェイスリフトされた(センターコンソールが新しくなり、ツインスパークエンジンも小変更を受けた)が、今ではほとんどがスクラップになっているため、めったにお目にかからない。価値が低くメンテナンス費用も高いからだ。2003年のフェイスリフトは大掛かりなもので、鼻先が新しくなり、V6は前述の3.2ℓに換装された。生産は翌年終了している。
トリムレベルには、スタンダード、ツーリスモ、ルッソ、それにルッソ・ファイナル・エディションがある。残っているクルマのほとんどはレザートリムである。これは重要。赤いレザー内装でシルバーのスパイダーはものすごくかっこいい。
日本に旅行した際には、右ハンドルのスパイダーを見かけるかもしれない。値は張るが、総じて英国のクルマより状態の良いものが多い。掘り出し物のツインスパーク・スパイダーを見つけたら、テンショナーのことを持ち出して値切ろう。そして未来の古典を手に入れよう。