AUTOCARの独断と偏見 みごとに期待を裏切られた7台のクルマたち
公開 : 2018.05.03 06:10
レンジローバー(1980年モデル)
大学を出たばかりだった若かりし頃、地元でジャガーとランドローバーのディーラーにようやく職を得た。
おかげで数多くのクルマに触れることができたのだが、最も興味をそそられたのは1987年頃の当時に現役だったレンジローバーである。
そのころは自動車誌を貪るように読んだが、どれもこぞって「世界で最も偉大なクルマのひとつ」と称賛していただけに、このとんでもなく背の高いクルマが、ロールもダイブもスクワットもいかに大きいか身をもって知ったときには、まさにショックを受けたものだ。
トランスミッションがいかに煮え切らないか、活き活きとコーナリングさせるためのスピードをどれほど懸命に暗算しなくてはいけないか。
いまではその頃より多く、もっと新しいレンジローバーに乗る機会があるが、正直言って、どんなに豪華になろうとも、どれもがあの頃と同じエモーションを呼び覚ますのである。
マーク・ピアソン:中古車副編集長