比較試乗 アストン マーティンV12ヴァンテージ vs ポルシェ911 GT2 前編

公開 : 2018.05.06 08:10

動力性能ではGT2が圧倒

しかし、いかにV12ヴァンテージがV8より出力を高めていようとも、歴戦の勇者であるGT2にスペックレースを挑めば、ほとんどの項目で後れを取ってしまうのは紛れもない事実だ。

3.6ℓ対6.0ℓとエンジン排気量がはるかに小さいにもかかわらず、GT2はツインターボの助けを借りて530psのパワーを発生し、なおかつ69.3kg-mもの驚異的なトルクをわずか2200rpmからフラットに発生し続ける。

一方、アストンが誇るV12のパワーはGT2に届かぬ517ps/6500rpmにとどまっており、ましてトルクにいたっては「わずか」58.1kg-mを、しかも5750rpmまで回さないと発生できないのである。

さらに車両重量を考慮に入れるとその差はいかんともしがたいほどに開き、数値上の動力性能におけるGT2の圧倒的な優位はいっそう明白になる。わずか1440kgに仕上げられたGT2に対し、V12ヴァンテージは1680kgといささか失望感さえ漂う重量なのだ。

これにより、馬力荷重比とトルク荷重比はアストンが307ps/34.6kg-m、ポルシェが368ps/48.1kg-mとなり、紙上レースの勝敗はもはや決定的である。

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