比較試乗 アストン マーティンV12ヴァンテージ vs ポルシェ911 GT2 後編

公開 : 2018.05.06 12:10

総合力でアストンの勝利

さて、それではGT2との決着を明らかにするとしよう。実は今回の比較テストで走ったほとんどの道で、V12ヴァンテージは文句なしの差をつけるまでGT2を引き離して見せる総合力を披露してくれた。GT2が逆転できたのは、路面がスムーズでストレートが十分に長いときだけだ。

端的に言うなら、GT2のサスはあまりにも硬すぎてボディコントロールが雑なので、今回のような「悪路」ではV12ヴァンテージに到底ついていけなかったのだ。つまり、英国のいたるところにあるような走って楽しめるカントリーロードが舞台では、まるで勝負にはならないわけである。

もっとも、テストの最後に全力疾走ではどちらが速いかを調べるために、ガラガラに空いた滑走路で0-240km/h加速を計測してみたら、GT2がV12ヴァンテージを完膚なきまでに圧倒したという事実はあるものの、それだけを根拠に総合的な評価を覆すわけにはいかないだろう。

ポルシェのほうがストレートでは多少速いのは十分すぎるほど予想されていた。そして、それと同じくらい明白に、アストンのほうがロードカーとしての総合的な実力と扱いやすさで勝っていることも判明した。正常なドライバーなら称賛と崇敬の声を惜しまぬであろう、まったくの新種のアストン マーティンが、ついに現実のものとなったのだ。歓呼で迎えようではないか。

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