ロータスの救世主 初代エリーゼ 「1km走れば恋に落ちる」後編
公開 : 2018.05.06 20:10
この価格で買えるなら「お値打ち」
ローバーのKシリーズエンジンには、ヘッドガスケットの問題を巡るありがたくない評判が定着している。この点に関するマティの対策は実践的だ。「わたしは常々、神経質になりすぎるよりも、水温計を絶えず確認するよう注意を促しています」実際にガスケットが駄目になっても、800〜1000ポンド(約12〜16万円)で修理できる。「オリジナルのプラスチック製ラジエーターは失敗作でした。ですが、アルミ製のものと交換すれば済む話です」とも彼はアドバイスしている。
最も人気が高いモデルはシリーズ1で、価格は着実に上昇している。整備記録の多い標準仕様のクルマが狙い目である。1万〜1万2000ポンド(約155〜186万円)出せば平均的な個体が買えるものの、程度が良く、低走行の49または79を望むなら1万8000〜1万9000ポンド(約279〜295万円)が必要だ。それでも、340Rやエキシージなら3〜4万ポンド(約465〜620万円)はする。エリーゼから得られる体験を思えば、決して大金ではない。実際のところ、これだけ充実したクルマがこの価格で買えるなら、信じられないほどお値打ちである。
わずか4年間しか販売されなかったものの、S1はロータスを再生し、その危機を救った崇高なクルマとして顕彰するに値する。チャップマンが生きていれば、エリーゼを誇らしく思ったことだろう。
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