ベントレー・ベンテイガW12 パイクスピーク挑戦なぜ? 舞台の裏側さぐる
公開 : 2018.05.13 11:40
改造は最小限 オプションは使用可能
チームはカリフォルニアにあるウィロースプリングス・レースウェイで行われるプレ・イベントと、パイクスピークでのテストで、ベンテイガにさらに改良を加える予定だ。その中には、ベンテイガがもつドライビングモードのうち、どれがこの挑戦に最もふさわしいかを見極める作業も含まれているが、ミレンには既にアイデアがあるようだ。
「スポーツモードが相応しいと思います。ギアシフトがより早くなり、パドルシフトを使ってマニュアルで操作することもできます。さらにトラクションとスタビリティコントロールをオフにすることも可能ですから、いってみれば、完全なレースモードです」
ベンテイガが走るのは、量産モデルからの改造がほとんど認められていない「エキシビジョン」クラスだ。許される改造範囲は、基本的に安全に関するものだけであり、ドライバーズシートがカーボンファイバー製へと変更されたうえで、その他のシートは取り外され、公道仕様では標準のグラスルーフもパネルで塞がれる。トリムや不要な装備は取り外され、代わりにロールケージと消火器が設置されるのだ。
さらに、公道仕様に設定されているものであれば、標準かオプションかにかかわらず、ルール上その使用が認められるため、重量面やパフォーマンスの向上につながるものはすべて採用されている。結果、このレースバージョンのベンテイガは公道仕様に比べて300kgものダイエットに成功しているが、それでも依然としてその重要は約2tに達する。
156ものコーナーを攻め、急峻な山道を行くには、薄い空気による冷却性能への影響だけでなく、ブレーキそのものも重要となる。公道仕様にオプション設定されているカーボン-セラミックブレーキが採用されるが、チームではまだそのホイール径を21インチにするか、22インチにするかは決めていないようだ。