ベントレー・ベンテイガW12 パイクスピーク挑戦なぜ? 舞台の裏側さぐる
公開 : 2018.05.13 11:40
SUVは増加傾向 チャレンジは来年も?
ミレンと彼のチームがもつ経験は、パイクスピークのレースウィークにおいては非常な重要なものとなるだろう。練習走行と予選はコースの一部だけを使って行われるため、レース参加者が実際に全長19.99kmの完全なコースを走ることができるのは、決勝当日だけなのだ。
ロッキー山脈南側の頂上へと続く、普段は一般開放されている有料道路を舞台としたコースの路面は、長年にわたりダートだったが、その後一部が舗装され、2012年にはすべてアスファルト舗装となった。しかし、だからといって、その挑戦が容易になった訳ではまったくない。事実、ミレンは「より恐ろしくなりました。なぜならスピードが上がったからです。非常な集中を要求されます。素晴らしい走りであれば、最初の4つのコーナーをクリアしただけで、クルマのハンドリングから、そのまま攻め続けることができるかどうかが分かります」
ミレンは、このようにタフな環境で、パフォーマンスSUVの実力を証明するというチャレンジを楽しんでいるようだ。「4年前であれば、SUVは単なるお荷物でした。しかし、いまこのクルマを運転して、そのハンドリングやブレーキング、パフォーマンスを知ってしまえば、もはやお荷物などとは言えません。まさに4人乗りのスポーツカーであり、SUVはこの先も増えるでしょう」
ベントレーはこのチャレンジを継続するかどうかを明らかにしていないが、来年はブランド100周年であり、その記念すべき2019年に、もうひとつのタイトルを狙うというのは、過去と現在のベントレー・ボーイズたちによる勇敢な功績を称える方法としても相応しいのではないだろうか。