アルファ・ロメオ・ステルヴィオ vs ポルシェ・マカン・ターボ 新型SUV クラス頂上対決
公開 : 2018.05.11 23:59 更新 : 2018.05.15 16:14
両ブランドらしい魅力の車内
一方で、走りの面ではマカンは期待を裏切らなそうだ。様々な議論を巻き起こしてはいるが、初めの100m足らずで、それを実感できるだろう。何しろポルシェは、第二次大戦以降、連綿とドライバーズカーを作り続けてきたのだから。そして、ショルダーラインの高いボディにもかかわらず、着座位置は低く、足を前方に伸ばして座るドライビングスタイルが、余計に実感させてくれる。
もちろん、ほかのポルシェと同じく、メータクラスターの中心に備わるのはタコメーター。車内の雰囲気もアルファ・ロメオよりもビジネスライクとはいえ、ステアリングホイールのエレガントな風合いと、スポークの間から見えるシフトパドルのデザインなど、明らかに高級志向なもの。アルファ・ロメオのデザイナーは、特にトランスミッション・トンネル付近など、スイッチ類が多すぎると話しているようだが。
ステルヴィオ・クアドリフォリオの車内はといえば、ジュリアの雰囲気をそのまま持って来たかのようで、よりドライビングに集中できそうだし、華やかでもある。
ポルシェがラグジュアリーな移動手段を穏やかに表現している反面、アルファ・ロメオはパフォーマンスカーであることを、これ見よがしに主張してくる。小径のステアリングホイールにマウントされた鮮やかな赤のスターターボタンだけでなく、カーボンファイバーやレザー、アルカンターラと素材も潤沢だ。
指先には、サーベルのようなアルミニウム製のシフトパドルも付いていて、まるでフェラーリのよう。ミレニアムの頃にはドイツのメーカーが多用していたカーボンのパネルが、ダッシュボードやドアインナーに飾られている。これらの素材はトランスミッション・トンネルにも用いられているが、そこにレイアウトされているのは、3つのダイヤルとふたつのボタン、シフトノブだけ。
ただ、マカンと比べると、車内は薄暗く感じられるし、少し窮屈にも感じられる。それに、このクラスのベストといえるような、組付けや仕上げ水準にも至っていないことも事実。このテスト車両は、生産初期の左ハンドルモデルだが、ダッシュボードの上面のラインが、左右のドアパネルのラインと綺麗につながっていないのだ。ポルシェと同じ品質を得ているとはいいにくい。
しかし、アルファ・ロメオのインテリアは居心地が良く、惹きつけられるものがある。緑と白のステッチなどは、特に素敵だ。
そして、路上での振る舞いも、似通ったSUVスタイルとは裏腹に異なるものだった。