シトロエンDS 4種乗り比べ 「60年前の未来のクルマ」前編
公開 : 2018.05.04 16:10 更新 : 2021.03.05 21:43
手で動かせるワイパー
しかしそれでも、クランクハンドルでエンジンを始動させるためのブラケットを見れば少し安心できただろうし、電気が切れても手で動かせるワイパーはもっと親しみが湧く装備だったかもしれない。
そんなDS19が1955年のアールズコート・ショーで登場したとき、付けられた値札は1726ポンド。勇気あるモータリストにとって注目すべき安さだったが、ショーのスタンドで注文しようにも出来なかった。シトロエンのスラウ工場はDS生産に向けた長期改修中で、それが終わるまでさらに8カ月もかかる状況だったからだ。
それでもミステリアスなDSとなれば、待つ価値はある。英国での広告コピーは、「あなたは最愛の人をどう表現しますか? お母さんは子供をどう表現しますか?」だった。