シトロエンDS 4種乗り比べ 「60年前の未来のクルマ」前編

公開 : 2018.05.04 16:10  更新 : 2021.03.05 21:43

1964年型 DS19サファリ

クルマというのは欠点を我慢して乗るようなものではない。凝ったヒーターやベンチレーション、ソフトな座り心地のシート、そして注意深く考え抜かれた快適性を、無条件に享受すればよい。


リージェンシー・レッドの美しいボディカラーを持つ1964年型のサファリに、話題を移そう。シトロエンは輸入関税を避けるためにスラウに工場を建設し、1926年から66年まで操業したが、その恩恵はサファリも例外ではない。郊外用途に最適なクルマとして、ハンバー・スーパースナイプのエステートと競合する値付けが可能になった。スラウ生まれのサファリは本国産と違ってシートが本革張り。63年からはウッド張りのダッシュボードを採用し、ボディカラーの選択肢が増えると共に、バックアップランプが標準装備になった。


DSシリーズのなかで、スラウで最初に生産が立ち上がったのは58年のIDだ。DSの廉価版という位置づけのIDは、ステアリングとブレーキに油圧を使わず、ギアボックスはマニュアル。エンジンも当初はDSの78psに対して67psにデチューンされていたが、63年以降のサファリはDSと同じエンジンを採用している。

「シトロエンDS 4種乗り比べ」後編は、シトロエンを始動する儀式から始めよう。

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