目の当たりにしたピニンファリーナとマヒンドラの蜜月 独占インタビュー
公開 : 2018.05.12 18:40
必要な技術は外部から
アウトモビリ・ピニンファリーナのビジネスモデルを煎じ詰めていくと、この企業は従来の自動車メーカーのような商売は絶対にしないということがわかるだろう。従来メーカーとは異なり、この会社は技術とハードウエアを自動車産業で行われている何倍もの割合で買い入れ、クルマの中身をピニンファリーナが描いたボディワークで包み込むのだ。
エクステリアのスタイリング、キャビン、インフォテインメントのインターフェース、そしておそらくさらに重要な、持ち込まれたさまざまなシャシーとパワートレインの統合と最適化。これらはすべてアウトモビリ・ピニンファリーナ自身の仕事である。
アナンド・マヒンドラは知的所有物も重要だという。「もちろん知的所有権はあるに越したことはありませんね」と彼はいう。しかしパーシュケはすかさずこう返す。「IPは数年間関係するだけだと思います。何ごとも決めてしまわずに、柔軟であることのほうが重要でしょう。独自技術の開発に500人もエンジニアを使って、外の市場から切り離されることは得策ではありませんね」
この会社の特異なやり方がわかるもっとも良い例は、今度発売されるハイパーカーの基本構造だろう。カーボンファイバー製のモノコックをベースに、各ホイールごとに1台の電気モーターを使用する。このツーシーターはミドエンジン・スーパーカーの古典的なフォルムをまとい、最高出力は1800ps以上、0-100km/h加速は2秒以下、最高速度は400km/h以上である。満充電時の航続距離は500kmとアナウンスされている。
注目すべきは、シャシーとドライブトレインは単にサプライヤー、あるいはアウトモビリ・ピニンファリーナがオーダーした技術パートナーから買い付けただけということである。もし必要な技術がすでにあるのなら、スクラッチから開発する必要がどこにあるのかとパーシュケはいう。