世界最速の量産ロードカー「マクラーレン・セナ」に試乗 英国価格は1億以上
公開 : 2018.05.08 10:10 更新 : 2018.05.24 08:59
世界最速の量産型のロードカー
油圧式のパワーステアリングはレスポンシブでスムーズ。極めて正確で情報量が濃く、今日のシステムでベストといえるもの。鋭いコーナリングでも狙った通りの正確性があり、ロールの抑制のされ方や路面への柔軟性など、低速域でも非常に好印象だった。
ただし、ロータス2イレブンとエリーゼとの近親さを感じるかのように、マクラーレン・セナを720Sのように感じてしまうところがある。もしコーナリング時によりパワーを増やすか、ダウンフォースを減らすか、選択する場面では、ダウンフォースを減らすことで対応できるだろう。その場合、セナの振る舞いは540Cのように感じられるようになってしまう。
マクラーレンの同じキャラクターを持ったシャシーにトランスミッション、エンジンやハンドリングを備えているのだから仕方ない。
ライバルメーカーを離れた元幹部がこんな話をしていた。
「同じ肉屋で、同じ種類のソーセージをいくつも売ることはできませんよね。だから10%だけ長くして、値段を倍にしたんです」
彼は肉屋の経験はなかったはずだが、意味することは理解できた。
最後に、非常に悩ましい2点でまとめたい。
セナを速いマクラーレンの新しいモデルとしたいなら、別のキャラクターを持ったマクラーレンのクルマにするべきではないか、ということ。
もうひとつは、このクルマが世界最速の量産型のロードカーになり得そうだ、ということだ。