ジャガーXE SVプロジェクト8 助手席試乗 300台限定の実力、ウエットで検証
公開 : 2018.05.09 10:10
ウェットで垣間見れるのは実力の一端
どの名レーサーについて語るかによってこのコーナーのエイペックスの数は変わってくるが、ピットを出て、最初に飛び込むのは、マッジウィックの高速右コーナーであり、もしこの609psのサルーンモデルに牙をむかれて、タイヤウォールに突っ込みでもしたら、申し訳ないが、プークにその責任をとってもらうしかないだろう。
よりソフトなダンパーセッティングで乗り心地を重視したドライビングモードから切り替えると、トルク配分がリア優先となり、トラックモードでは、その傾向がさらに強まるとともに、ダンパーセッティングも強化される。
最近のモデルでは、コーナーは待機時間のようなものだが、直線でのプロジェクト8は、そのどう猛さを垣間見せてくれている。
助手席からは、特にジャガーが唯一設定しているミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2のようなタイヤを履いて、ひどいウェット路面を走っている限り、このクルマがもつ実力の一端しか感じとることができない。
フルアタックではない状態での4周では、プロジェクト8の引き締まった走りは感じられたが、殺気立つほどのものはなく、ストレートの速さは、より手に入れやすいマクラーレン720Sといった感じだった。
だからこそ、この刺激的なプロジェクトが最終盤を迎えようとしているタイミングで、開発チームに会い、彼らが最後にどのような変更を行ったのかを知ることは、その長い歴史から生み出した究極の1台を、ジャガーが初公開した昨年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードと、今年5月のスペインでの初試乗とをつなぐ足掛かりになるだろう。
スペインでは、ジャガーがこの驚異的なモデルを、レーシングドライバーのごとき反射神経がなくても、その真の実力を発揮することができるように仕上げることができたかどうかを試すことになる。
「常にこのクルマはドライバーに寄り添っているように感じます」とピットレーンに戻ったプークは話す。さらに、プロジェクト8のセッティングは、サーキットでも恐怖を感じることがないようなものになるともいう。