ロードテスト フォルクスワーゲンUp! GTI ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2018.05.13 10:10  更新 : 2018.05.14 15:12

結論 ★★★★★★★★☆☆

「パフォーマンスのランドマークとは言えないが、買うだけの価値は十分見出せる」

フォルクスワーゲンUp! GTI。親しみやすく、魅力的なクルマである点では、これまでの小さなポケット・ロケットたちと同じだが、それらのどれよりも買いたいと思わせるのも事実だ。ただし、このニッチなジャンルで、われわれが今まで魅力的だと認めてきたようなドライバーズカーでないのは確かで、それはちょっと残念だ。

このクルマのエンジンは、トルキーでキャラが立っているものの、リスペクトできるほど魅力的ではない。シャシーもまた、時として素晴らしい旋回性をみせるものの、基本的な運動性を十全に押さえているわけではなく、相対的な洗練性にも欠ける。GTIのバッジを掲げるにふさわしいかは、疑問の残るところだ。

しかしながら、1万4000ポンド以下のクルマとして考えれば、その走りや質感、ヴィジュアル面の魅力には抗いがたい。このクルマの走りの魅力を、このセグメントで価格帯がカブる中間機種や、より高価ながらスペック面の直接的なライバルとの比較を優位に進めるのに必要な水準に照らして考えれば、Up! GTIは賞賛に値する成功を収めたといっていい。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

ホットハッチはいつも低く座るが、このクルマのドライビングポジションは座面高を中間くらいに置いた方が決まる。限られたステアリングコラムのリーチを埋め合わせるためだ。あくまで個人的には、であって、機能面で問題はない。

リチャード・レーン

多くのひとびとが、このクルマの風変わりでオールドスクールな気質を気にいると思う。ベストな走りを引き出すには多少苦戦するかもしれないが、うまくいけば頑張った甲斐があると思わせてくれるはずだ。

オプション追加のアドバイス

アルミホイールもトランスミッションも、インテリアのトリムも1種類。実にわかりやすい。370ポンド(約5.55万円)のビーツ・プレミアムオーディオ、157ポンド(約2.355万円)の2トーン塗装とthis way Up!と銘打ったルーフデカールくらいが選びたいアイテムだ。

改善してほしいポイント

・ESPの介入をもっと弱く、そしてオフにできるスイッチを用意してほしい。
・3気筒ユニットのバランスウェイトをもっと軽くしてほしい。スムースな回転よりも、もっと回るエンジンが欲しいのだ。
・もっとシャープに曲がってくれればいいのだが。

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