初試乗 新型メルセデス-AMG G63 先代からの最大の違い「洗練性」
公開 : 2018.05.07 11:50 更新 : 2018.05.07 12:04
4.0ℓV8ツインターボ/9Gの印象は
トルクの面で、どのエンジンを搭載するかは、長らく注目すべきポイントである。
G63の場合、エンジンはメルセデス-AMG製M178型4.0ℓツインターボV8が搭載される。2.5tのオフローダーという特性に合わせて、6000rpmで585ps、86.5kg-mというとてつもないトルクを2500-3500rpmで発生させる。
これはドライサンプ化されたAMG GT Rよりも高性能なチューニングになっている。
トップスピードは225km/hだが、0-100km/hは驚きの4.5秒だ。強大なパワーはメルセデス9Gトロニック・トルコントランスミッションで伝達される。エンジン音は尊大で、5.5ℓのM157型ほどとげとげしくはないが、そのクラシカルな巨体に見合ったひたすら大きなサウンドを発する。洗練されてはいるが、サイドからエグゾーストが響いているのがわかる。
時たまオフロード車の片鱗が垣間見える。例えば、運転しているとたまに「Gモード」に入ったと表示される。この表示は3つのディファレンシャルが完全にロックされた時か、オフロード・リダクションギアが使用された時に現れる。
厳しい地形だと感知すると、ダンパー、ステアリング、ギアボックス(早めのシフトアップをしなくなる)、スロットルレスポンスのキャラクターが変わり、最もGクラスの走破性能が高くなるセッティングへと変更される。変更のためにボタンをプッシュする必要はなく、これはメルセデスがGクラスの古めかしい雰囲気を演出したいからである。
Gクラス開発チームのテスト中に、レンジローバーが険しい地形の中、電子制御のせいで立ち往生したことがあったそうだ。そのため、Gクラスは3つのディファレンシャルロックの信頼性を重視している(メルセデスいわく、フルセットで装備している量産車はGクラスだけだ)。