パガーニ 社長インタビュー 語る今後、EVの投入にも「前向き」

公開 : 2018.05.12 20:10

完全な電気自動車へ

「完全な電気自動車を考えています」と彼はいう。「918のデザインやスタイルは大好きですが、電気だけで走れるのはたった25kmです。バッテリーが空になっても、内燃機関のエンジンと一緒に積んで走らないといけない。300kgはあります。全く無駄な荷物です」

ウアイラ・ロードスターは765psだが、すでにパガーニは性能向上の技術的な力点をパワーアップから重量削減へと移している。メーカー・スペックによれば、ロードスターはウアイラ・クーペより80kg軽い。重たいバッテリーを搭載する際には役立つだろうとオラチオ・パガーニは考えている。

「クレイジーな馬力を変えるつもりなんてありませんよ。ドライバビリティを大幅に改善するには、クルマは軽いほうがいいんです」と彼はいう。「同じことを電気自動車に当てはめれば、われわれの目指すクルマが想像できるでしょう。未来の電気自動車のベンチマークになるような極端に軽量なクルマです」

気になるのは、電動化されたパガーニが富裕層を引き付けるエモーショナルな魅力を持ち続けることができるかどうかである。

「それが課題であり目標です」とパガーニはいう。開発チームにはEVにマニュアル・ギアボックスを組み合わせることができるかどうか、検討を依頼したそうだ。

「設計開発のチームにわたしが最初に質問したのはこのことでした」と彼はいう。「みんな電気自動車には必要ないと答えましたが、わたし自身はまだ決めかねているところです」

ゾンダ、助けてくれ

ゾンダの生産は終了しているが、ジュネーブ・モーターショーのパガーニ・ブースには、まだ1台が展示されていた。ゾンダは19年前にここでデビューしたのだ。しかし、全部で136台が生産されたゾンダへの会社の関わり合いは今もさまざまな形で続いている。

価格高騰の裏で、メーカーグレードのレストアやアップグレードを行うため、初期のクルマたちがどんどん送り返されてきているのだ。初期のゾンダは素晴らしい投資だった。30万ポンド(4400万円)だったものが、いまや100万ポンド(1億4800万円)をゆうに超えている。

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