モーガン・プラス8に試乗 デビューから50年「完ぺきでない」という魅力
公開 : 2018.05.20 07:40 更新 : 2018.05.21 09:48
驚きのグリップ・レベル 最後はドライバー次第
そして、最も重要な点は、このクルマにとって、数値は全く意味がないということだ。372psのパワーで、0-100km/h加速は4.5秒でこなすが、従順でゴロゴロとしたサウンドを奏でるエンジンと、スローだが素晴らしい出来の6速トランスミッションの組み合わせは、このクルマのキャラクターに完ぺきにマッチしている。そのパワーデリバリーは素晴らしい余裕を感じさせ、2000rpmからあふれ出すトルクによって、ギアチェンジは気の向くままだ。
このクルマのグリップ・レベルにも驚かされた。標準装備のLSDと、2016年にエアロ8に対して行われたサスペンション改良によって、コーナーでは断固として路面を掴んで放そうとしない。実際、限界はもっと低くても良いようにさえ思う。このクルマが一旦スライドをはじめれば、素早い対応が必要になるが、それもプラス8を運転する楽しさの一部だと思うからだ。
すべてがクルマ任せの多くの最近のモデルとは違い、モーガンではドライバーが最後の安全装置だ。インプットに対してステアリングがどれだけ反応するかを予測しながら、コーナーへの進入速度が高すぎないことを確認して、トルクとトラクションに任せてコーナーから飛び出す。
このクルマは基本的には安定志向であり、最初にアクションを起こしてから、最終的にコントロールを失うまでに、ややルーズなステアリングで正しい操舵を与える必要がある。