新型ボルボV60に試乗 ドイツ勢のアグレッシブさ、あえて狙わず

公開 : 2018.05.23 11:10

荷室の使いやすさも良好

後席の乗員にも十分なレッグルームが確保されている。V60のホイールベースは2872mmと、3シリーズよりも62mm長い。そして横置きエンジンのおかげもありコンパクトな配置ができているのだ。

V90のリアウインドウが傾斜が付けられているのにたいし、V60のそれはより古典的で垂直的なデザインだ。したがって、V60の荷室はクラス最大級であり、529/1441ℓだ。4.76mの全長はCクラス(4.7m)や3シリーズ(4.63m)よりも長く、40mm程度幅広いことを考えればこれも当然だろう。

荷室内はフラットフロアで、綺麗に仕上げられた側面、そしてフロアと窓枠にフックが取りつけられている。多くの積載物がある場合向けに伸縮性のあるストラップも備わる。北欧風のクールさを超え、これは伝統的でオールドスクールなボルボだと言える。

走りについても同様だ。SPAのテーマがすべて揃っている。それどころか、SPAの進化が見て取れるほどだ。

D4エンジンはアイドル時に多少音が聞こえる程度で、走行中は加速時でも静か。一方、ATはやや癖があり、シフトダウンを嫌う傾向がある。シフトレバーでの操作は可能で、ステアリングヒーターが装備されているのにパドルシフトはない。よりダイナミックな設定も可能だが、そうすると巡航時にも高回転を維持してしまう。

サスペンションの設定も変更できる。より大型の車種とは異なりエアサスペンションではないが、メカニカルなスプリングに可変ダンパーが組み合わされる。しかし、常に硬いモードで走るひとがこの世の中にいるのだろうか、とも思う。

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