初試乗アウディA6 2018年型 先進装備、5シリーズに軍配 洗練性は高評価
公開 : 2018.05.22 11:10 更新 : 2018.05.22 11:12
数多くの電子制御 その評価は?
しかし、空いた道での挙動には首を傾げざるを得ない。問題というほどではないものの、安定性を増すためにリアがフロントに追従すると、一瞬フロントがステアリングと切り離されたように感じられ、クルマが勝手にややタイトなコーナリングラインを選択するのだ。
こうした動きを見せる四輪操舵システムは経験したことがない。A6を驚くほど機敏にさせるという意味では、間違いなく効果的であり、その動作も滑らかだが、突然ステアリングのレシオが速くなるのだ。
標準仕様のステアリングには速度感応式可変レシオが採用されているが、例えステアリングフィールの希薄さは何も変わらないとしても、その感触はより自然で、クルマの挙動もつかみやすい。フィールが乏しいことに変わりはないが、許容範囲と言える。
例え、コーナーに突っ込んでいったとしても、ノーズヘビーの重量バランスをものともしない、A6のボディコントロールは一級品といえるだろう。その動きは多くの制御が作り出しているはずだが、むしろ自然に感じられるほどだ。
最後に、ドライバーアシストにも触れておこう。39ものアシストシステムが、A6を長距離移動や、カンパニーカーに適したクルマにしている。レーンキープアシストがその代表的なものであり、単独でも効果を発揮するが、コーナーでペースを上げようとすると、常に舵角を修正しようとするために、このシステムは役に立たないばかりか、邪魔者にすら感じられる。
このシステムをオフにするのは簡単だが、問題は、オフにした場合、アウディがNCAPテストで獲得した評価のうち、星半分が減るということだろう。