ルノー・カングー、仏担当者も驚く日本の独自性 カングー・ジャンボリーでインタビュー

2018.05.26

ルノー・カングー、日本でよく見ますが、フランスのひとたちにとっては、少し意外な愛され方をしているようです。日本とフランスの事情の違いについて、ルノー小型商用車担当プログラム・ダイレクターである、フィリップ・カイエットに聞きました。場所はカングー・ジャンボリーです。

text:Tomoyuki Shimada(嶋田智之) photo:Renault Japon(ルノー・ジャポン)

もくじ

日本のカングー 本国はどう見る?
カングー、日本ならではの側面
カングーの欧州事情 日本との違い
キーワードは「多様性」
フランスへ「逆輸入」したいこと

日本のカングー 本国はどう見る?

5月13日、山梨県の山中湖交流プラザきららで、第10回ルノー・カングー・ジャンボリーが開催された。

このイベントは、ルノー・ジャポンがカングー・ユーザーのために毎年開催しているもので、全国から軽く1000台を越えるカングーが集まるイベントとして世界中で知られている。

今年も午後から雨が降る予報が出ていたにも関わらず、カングー1373台を含む1921台、4317名の参加者が会場を訪れ、ステージで行われるトークやライブ、カングー・ユーザーに相応しい出展ショップのみ集めたエリア巡り、フリーマーケット、会場や駐車場でのカングー談義、さらにはイベント内で発表された限定車クルールや歴代カングーの展示などを楽しんでいた。

今回はカングー誕生20周年ということもあって、フランス本国からルノー小型商用車担当プログラム・ダイレクターである、フィリップ・カイエットが来場。

業務の関係でほぼ毎月来日されているカイエットだが、カングー・ジャンボリーは初めてとのこと。いい機会なので、インタビューの時間を設けてもらった。

カングー、日本ならではの側面

日本の印象は?

「毎回、日本に来るのはとても楽しみなのです。なぜかといえば、皆さんの『おもてなしの心』というものをすごく感じることができるから。日本の方々の温かさ、優しさ。それは本当に素晴らしいと思っています。日本に来るたびに嬉しく感じます」

カングー、日本ならではの愛され方について

「特に皆さんのカングーに対する情熱に、ものすごく驚いています。カングーがフレンチ・タッチなクルマであるからかな? 他のクルマにはない種類の特別感、ユニークさがあるから、こんなふうに愛してもらえてるのかな? なんて考えてます。嬉しいですね」

ヨーロッパと日本 カングーの違い

「例えば日本の場合、一番最初に目に飛び込んでくるのは色。ヨーロッパだと、特にフランスではホワイト、シルバー、グレー、ブラック。それが最も売れてる4色なんです」

「こんなふうにイエローやパープル、グリーン、ブルー、ピンクというような色は絶対に見られません。アクセサリーやステッカーなどで、自分なりの個性のあるカングーを労力とアイデアとコストをかけて仕立て上げる、っていうのはヨーロッパではない」

「それから日本ではカングーのユーザーは結構距離を走るみたいですけど、ヨーロッパでは一般のユーザーよりもちょっと距離が少ない。楽しみのためにあちこちに乗って出るというより、A地点からB地点まで家族や荷物を乗せて走る道具として実用的に使われる傾向が強いです」

「日本では生活の中に溶け込んで、趣味のクルマとして扱われていますけど、ヨーロッパではそういうわけじゃないのです。ビボップを発売したとき、日本では人気が出たけどヨーロッパであまり売れなかったというのも、そこに理由があったのだろうと思っています。カングーに対する期待感が違うんですね」

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