ホットハッチ頂上対決 フォーカスRS vs メガーヌR26R vs ランエボX 前編

公開 : 2018.07.24 18:10

意外な洗練性

そんなフォーカスRSの隣に並ぶと、メガーヌR26Rは(カーボンファイバー製ボンネットと赤いホイール、プライマー仕上げのみのボディのおかげもあって)いかにもシリアスかつピュアで、レーシーなマシンに見える。ただし、フォーカスRSのツインエグゾーストから響く重低音に比べると、排気音は控えめでやかましくない。

いずれにしても、フォーカスRSもR26Rも、普通のハッチバックとはひどくかけ離れたクルマなのは間違いない。この2台といっしょにいると、ランエボXでさえ存在感が薄らいでしまう。注目度で言えば、ランエボは今回の3台のなかではもっとも低いクルマである。

しかし、だからといってランエボのハードウェアが見劣りすることは決してない。2.0ℓターボの最高出力は295psで、フォーカスRSには9psおよばないが、R26Rよりは70psも大きい。一方、数値だけで見るとほかの2台に比べてかなり非力なR26Rにしても、それに変わる武器がある。普通のR26より125kgも軽く1230kgしかない車重がそれだ。この数値はフォーカスRSより237kg、ランエボより330kgも軽い。

わたしはほかの2台との待ち合わせ地点までフォーカスRSを走らせてきたのだが、その道中では「意外なほど洗練度が高いクルマ」という印象を受けた。サスペンションはSTに比べてリアが40%も硬められているが、ベースモデルが持つしなやかさと、路面からの衝撃を吸収する優れた能力は、まったく失われていない。それだけでも十分賞賛に値するのだが、さらにこのRSは、2006年のフォーカスWRCカー(ターマック仕様)並みのロール抑制能力を備えているのだ。

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