BMW M3 CS 2018年モデル 究極のM3 満足感は色褪せず
公開 : 2018.05.24 10:10
中回転域にもパンチ 誰もが魅了されるモデル
なかなかダウンシフトを選択しない7速デュアルクラッチのトランスミッションのせいで、エンジンブレーキを使う機会が少ないことを除けば、唯一の不満は、改善されたとはいえ、依然としてステアリングを介して路面状況が掴みにくいことだが、シートからはより明確にその状況を読み取ることができる。
では、エンジンはどうだろう? いまだかつて、M3のエンジンが静かだったことなど一度もないが、M3 CSも、4本出しのステンレスパイプから激しい咆哮を響かせる。さらに、中回転域からは、かつてなかったほどのパンチを繰り出すが、これはエンジンそのものの改造ではなく、マッピングの改良によるものだろう。M4同様、他のさらにパワフルなライバルたちに対抗すべく、長い間M3にもエンジン回転数に応じたパワーが求められてきたが、ようやくそれを手にしたようだ。
そのバランスとグリップによって、このクルマには限界などほとんどないようだ。天候が回復して、気温が十分にタイヤを温めれば、限られたクルマでしかできない満足を、M3 CSはドライバーにもたらすことができる。とくに、MディビジョンがノーマルとMダイナミック・モードでのスタビリティコントロールの設定を緩めているのだから尚更だろう。
気まぐれで力強いキャラクターのクルマとして登場したF80型M3は、深く心に訴えかける、誰もが魅了されるモデルとなった。