AUTOCARアワード2018 勝者は?
公開 : 2018.05.27 12:10
そしてこちらがAUTOCARアワード2018の受賞車です。この1年間にリリースされたなかで最高のクルマと、そこにたずさわったひとびと、すなわち最高のクルマをつくる最高のひとびとを讃えたいと思います。われわれの心をつかんだ受賞車の話、たっぷりとごらんください。
もくじ
ロールス・ロイス・ファントム ★★★★★
ー 妥協のない超高級車
ー 圧倒的な洗練性
アルピーヌA110 ★★★★★
ー シンプルな古き良きスポーツカー
ポルシェ911 GT3:ベスト・ドライバーズカー
ー 911 GTシリーズでも最高のハンドリング
ー 720Sとも接戦
ヴォグゾール・インシグニア:中古車部門1位
ー 実用的でお買い得感が売り
ホンダ・シビック・タイプR:お手頃ドライバーズカー1位/読者投稿1位
ー 混戦するホットハッチ
ー ホンモノの機敏さ
ー 読者投票でもベスト
ロールス・ロイス・ファントム ★★★★★
妥協のない超高級車
ロールス・ロイス・モータース・カーズ・リミテッドの看板を守るひとびとがいかに善良であっても、その手のうちにあるブランドのあまりに偉大なる威光に、ついつい独善的になってもおかしくはない。
妥協のない超高級車をつくることを許されたメーカーがほかにあろうか? もちろんあるはずなどない。だからこそ、デザイナーや技術者から組み立てをになう工員にいたるまで、この会社で働くひとびとの目指すところは単純明快になるわけだ。
「単純」といってはみたが、それはもちろん「容易」を意味するわけではない。8代目ファントムを襲名するクルマをつくるにあたって、複雑怪奇な技術をまとめあげ、その結晶としてくもりひとつない洗練さ・上品さ・快適さと優美さをもってこのようにすばらしく走らせることは並たいていのことではない。
ファントムの乗り心地は快適どころか、すべてにおいて「世界最高のクルマ」にふさわしい。夢みたいなものだ。
新型は先代よりモノコックが強化されて全長がやや短くなったが、重量はむしろ増えた。その裏づけともいえるが、アダプティブ・エアサスペンション、アクティブ・スタビライザー、四輪操舵、先進的な遮音材入りランフラットタイヤをはじめありとあらゆる装備をそなえる。
世界一静かで快適で、運転もやさしい全長5.76m・車重2780kgのセダンをつくる設計者になってみたとしよう。いったいどこから手をつければいいのか、どこまでやればいいのか途方にくれるだろうことはかんたんに想像がつく。
ファントムのV12を設計するには、設計に使うコンピュータもそれに見あった性能が必要だったにちがいない。