AUTOCARアワード2018 勝者は?
公開 : 2018.05.27 12:10
圧倒的な洗練性
その性能についていうと、このグッドウッドの魔術師が0-161km/h加速も48-113km/hスルーギア加速も、フォード・フォーカスRSより短い時間でこなしたことはご存知だろうか。
そういう情報がロードテストであきらかになるとつい大喜びしてしまうのがわれわれの性だが、ファントムの場合より意味をもつのは、もちろん巡航における洗練性のほうだ。
そこにおおきく影響する騒音レベルは、アイドリング中でもわずか34dbにすぎない。これならイギリスの街の雑踏の音のほうが大きいくらいだ。110km/hまでスピードをあげても、後席のご主人さまにもらす音は60db。ふつうのセダンは50km/hでもこれより騒がしい。
この静けさも、新型ファントムの味わいのほんの一端にすぎない。まごうことなく豪華絢爛で、ひとをやさしく迎えいれて包みこみ、場違いなほどきらびやかに見せてくれるクルマだ。
でも実際のところは、仮に機械としてのできや豪華さが大したことがなくとも、億万長者は列をなしてファントムを手にいれようとするのだ。
ただ運転してすばらしいというのはこのクルマのほんの一面にすぎず、顧客にとっては大したことではない。しかし、かつてなく力をつけているようにみえるロールス・ロイスの、そこで働く多くのひとびとの誇りを左右することではあるだろう。