長期テスト マクラーレン570GT(3) NSXとの比較 570Sとの違い
公開 : 2018.05.24 16:10
優れたグランドツアラー
570Sと比較すると確かにステアリングは穏やかで、フィードバックも密ではない。でも、山道や高速道路を570GTで飛ばしていると、常にステアリングを握る手には路面の状況が伝わってくる。この感覚がわたしは好きだけれど、現在のドライバーにとってはあまり馴染みのあるものではないし、ドライビングを楽しむために必ずしも必要だとはいえない。
570GTでの高速巡航走行は快適。ガラス製のルーフも、想像以上に広く感じられる。乗り心地も、多くのマクラーレンがそうであるように上質。しかし、タイヤの走行音はうるさく、路面のキャッツアイや凹凸の振動を、剛性の高いカーボンファイバー製のタブに伝達させる傾向は、より洗練されたライバル、特にホンダとは異なる。
これは批判ではなく、あくまでも経験としての事実。
評価としては、コントロールに対してのフィードバックの純粋さと密度、加えてどれだけ楽しめるかが重要だと思う。どのクルマもそれぞれの個性がある。比較テストと、以前のピュア・マクラーレンというイベントを振り返って考えると、570GTにはかなり満足しているといえる。
近々、テスト車両には、オプションとなるピレリPゼロ・コルサ・タイヤを履かせる予定。ハンドリングのシャープさで、570Sとの差を埋めてくれることを期待している。そんなスポーツタイヤを履いたら、グランドツアラーの性格が薄まるのではないかって?
次回、その結果をお伝えしたい。
気に入っている点:燃費
ここまでのパフォーマンスを備えながら、高速道路での巡航では10km/ℓに届くこともあるのは、素晴らしいと思う。
気に入らない点:日差しの暑さ
グラスルーフはインテリアの雰囲気を素晴らしいものにしているが、晴れた日には車内がかなり暑くなる。駐車する時は日陰がオススメ。
テスト車について
モデル名:マクラーレン570GT
新車価格:15万5755ポンド(2383万円)
テスト車の価格:17万9155ポンド(2741万円)