スターメー賞 ディーゼルのNOx問題を解決した研究者 AUTOCARアワード2018
公開 : 2018.05.26 15:40
ACCTの原理
基本原理はこうだ。ACCTは単純な(現在は未だ非公開の)コンテナの中で、排ガスの熱を利用して普通のアド・ブルー(SCRが装着されたクルマにはみな積まれているありふれた薬剤)を遥かに不安定な物質であるACCT液(仮称)に変換する。これが排気中に噴出されると、エンジンが低負荷で排気温度が低い場合でも、現在のシステムよりもはるかに効率よく窒素酸化物(NOx)を除去する。
このようなエンジンが低負荷の状態は、現在NOxが大問題となっている混雑した市街地で非常に頻繁に発生するので、ACCTの能力はとても重要なのだ。実走行状態で行った最初のシステム試験では、通常のSCRシステムが65%だったのに対してACCTは99%のNOxを除去した。
またACCTは、トラック運送業者が現在直面している深刻で、ときには致命的な問題を解決する。アド・ブルーを大量に消費する重量積載物車両(HGV)では、排気が低温だとアド・ブルーが完全に分解されないのだ。ACCT液は不安定なので、すぐに蒸発してまったくゴミを残さない。
ACCTは巨大な問題に対する完璧な解決策のようだ。世界中の輸送産業がラフバラに大挙して押し寄せているのも、驚くことではない。