セアト・レオンSC 1.4TSI 140
公開 : 2013.03.08 16:07 更新 : 2017.05.29 18:44
■どんなクルマ?
プロダクション・モデル前のまだプロトタイプであるセアト・レオンSCのテスト・ドライブをする機会が与えられた。このレオンSCは、レオンの3ドア・バージョンで、フォルクスワーゲン・シロッコのライバルとなるモデルだ。
SCとはスポーツ・クーペの略で、レオン初の3ドア・ボディは、ダイナミックなスタイルが与えられた。5ドアよりもボディは短く幅広くなり、ホイールベースも35mmも縮められている。
■どんな感じ?
13mm5ドアよりも低い車高を持つが、そのヘッド・クリアランスは5ドアと同じだという。また、リア・シートのスペースも大人二人には充分なものが確保されており、ブートスペースも5ドアと同じ380ℓとなっている。
インテリアは控えめながら、フォルクスワーゲン・グループのクオリティが保たれている。そのマテリアルと、スイッチ類の使いやすさは賞賛に値するものだ。
138bhpのターボ付き1.4ℓエンジンは、滑らかで、ミッド・レンジでの扱いやすさは特筆に値する。パワーも充分で、なおかつ現実的に良い燃費をもたらすもの。
セアトは今の時点では公式なパフォーマンスを発表していないが、5ドアをベースに考えれば、0-100km/hは8.1秒、そして17.8km/ℓ以上の燃費を叩き出すと推測される。
ギアボックスも秀逸で、ギア・レシオも適切だ。また、速度を上げるにつれ信頼感の増す精密なステアリングも良い。レオンSCのステアリングは、よりスポーティなフィーリングをドライバーに与えるためリチューンされているが、それは全体としては正解だ。
その、短いホイールベースと、ワイドなトレッド、低い重心位置は、時代遅れのトーション・ビーム・リア・サスペンションを採用しているとは思えない。しかも、このスポーティなセットアップが、乗り心地と引き換えになっていないことに驚きを感じる。スポーティでありながら、日常の乗り心地を犠牲にしないというトリックを、セアトは成し遂げたのだ。
■「買い」か?
唯一の結論は、このセアトSCが本当に素晴らしいクルマであるということだ。ただし、その価格は、予想していたように5ドアに比べて安くなるのではなく、5ドアとほぼ同じものになるということだ。しかし、それがこのセアトSCを選ばない理由にはならないだろう。
(ジム・ホルダー)
セアト・レオンSC 1.4TSI 140
価格 | 18,000ポンド(257万円) |
最高速度 | 210km/h |
0-100km/h加速 | 8.1秒 |
燃費 | -19.2km/ℓ |
CO2排出量 | 119g/km |
乾燥重量 | 1211kg |
エンジン | 直列4気筒1395ccターボ |
最高出力 | 138bhp/4500-6000rpm |
最大トルク | 25.4kg-m/1500-3500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |