モータースポーツ・ヒーロー ジョナサン・パーマー(元F1ドライバー/実業家) AUTOCARアワード2018
公開 : 2018.05.27 08:10 更新 : 2018.05.27 16:35
今年のモータースポーツ・ヒーロー賞は元F1ドライバーで実業家のジョナサン・パーマーに贈られました。彼は現役引退後に事業を興し、若手の育成やサーキットの運営に尽力しています。現在はフランスの元空軍基地をクルマの聖地とする計画を遂行中です。
もくじ
ー F1はゴールではない
ー パーマー・スポーツ創業
ー 4つのサーキットを買収
ー ドニントン・パークも手中に
ー 改善の余地は無限に
ー 一方、フランスでは
ー パーマーの考え
F1はゴールではない
ほとんどの優秀なレーシングドライバーにとって、フォーミュラ1でのキャリアは頂点だ。優勝するために戦う一方で、スター達はレースが終わった後の自分の人生について深く考えることは稀だ。これはモータースポーツの世界がヒーローを特に手厚く扱うからというだけではない。
2018年のAUTOCARモータースポーツ・ヒーローに輝いたジョナサン・パーマーにとって、人生はそれほど単純なものではない。華やかなF1の世界に身を置きながらも、彼は将来についてよく考えていた。彼は1983年から1989年の間に4つのチームで83戦に出場し、多くの同僚よりも良い成績を収めた。そしてジム・クラーク・カップ(ノンターボF1カーのチャンピオンシップ)で勝利を収めたのち、スポーツカーやBTCCの世界へと身を移した。レースの世界でのキャリアを終えた時、彼は次の道を用意していた。
「わたしは持てる能力を出し切ろうという野心を持っていました」とパーマーは回想する。「そしてそれがわたしをF1へと導いたのです。わたしはそれを自分の特権だと思っており、決してゴールだとは考えていませんでした。より優秀なドライバーが出現することは予想していましたし、その通りになりました。だから次のステップを模索していたのです」
パーマーの「次のステップ」は大成功だった。実際、実戦を退いてから英国のモータースポーツの発展に彼以上に貢献したひとはいないだろう。そして、後継者育成の第一任者としても活躍した。