編集者賞 ヘルベルト・ディース(フォルクスワーゲン・グループCEO) AUTOCARアワード2018
公開 : 2018.05.26 16:40
過去への対応 未来への計画
もちろん問題は残っている。ディーゼルゲートに関連して改修を行ったクルマには、依然として多くが満足しておらず、その改修方法に関する訴訟も現在進行中だ。
それでも、ディースが自身に与えられた役目を果たしたのは事実だろう。利益率を改善し、I.D.モデルのランナップによって、内燃機関のあとを担う、一貫性のある明快な将来計画を策定した。一方で、彼は過去の過ちについての謝罪を行い、それを正そうともしている。
彼の電動化への情熱は特筆に値するだろう。これまでの3年間で、ディースはI.D.ハッチバックに代表されるEVの新ラインナップに関する計画を承認しているのだ。
この計画のもと導入されるEV向け新プラットフォームを、彼はフォルクスワーゲン・グループ全体に展開する必要がある。さらに、これまで何度もとん挫してきた、フォルクスワーゲンの象徴たるマイクロバスの復活も彼にかかっている。
まだ、ディースはこれらを成し遂げてはいないが、任期中のテーマとして、今年のAUTOCARアワードに輝いた彼の実績に相応しい仕事といえるだろう。