ゲームチェンジャー賞 自動車社会を一歩先に進めた5台+1社 AUTOCARアワード2018
公開 : 2018.05.27 10:10 更新 : 2021.03.05 21:37
アウディA8
高度な自動運転技術
数年前、アウディの広告でカモフラージュされたRS7がホッケンハイムリンクを240km/hの最高速度で周回する様子を覚えているだろうか。何も変わった様子はない。四輪駆動でツインターボV8を搭載した素晴らしく速いクーペだ。クルマに誰も乗っていなかったことを除いては。
この特別なRS7は無人車だったのだ。このプロジェクトから得られた成果は、技術的に最も進歩したフラッグシップセダン、新型アウディA8にさっそく反映されており、さらに多くの技術成果が出番を待っている。
例えば48V電源システムにより、この巨大なラグジュアリーセダンは最大40秒間、エンジン停止状態で走行することができる。また3チャンバーのエアサスペンションは全グレードに標準である。さらにアクティブ電子制御サスペンションは前方の道路の状況を先読みする。しかし最も進歩した技術は、一定の条件下で人間の制御なしに走行することができる能力である。従来とは全く異なり、世界を進歩させるクルマだ。
「アウディAI」と呼ばれる一連の技術を用いて、SAE基準のレベル3に相当する高度な自動運転を世界で初めて実現した。60km/hまでならA8は混雑した高速道路でもまったく人間のアシストなしに走行することが可能だ。
それ以上の速度になったり、前方の車列がばらばらになると、トラフィック・ジャム・パイロットと呼ばれるシステムが、ドライバーに再びハンドルを握るよう警告する。またキャビン内の小型カメラでドライバーが疲れたり居眠りしていないかを検出する。このような場合には、クルマは駐車スペースやガレージに自動的に停車する。
洗練されたソフトウエアにって実現されたこの能力は、渋滞の際などにドライバーの負担を軽減する。これを備えたA8は先進的クラスにおける本当の先駆者である。このクラスにはヘビー級の技術ライバルであるメルセデス・ベンツSクラスやBMW 7シリーズ、それに比較的最近参戦したテスラ・モデルSがいることを考えると、これは至難の業であり、A8が瞠目すべきクルマであることは間違いない。