ゲームチェンジャー賞 自動車社会を一歩先に進めた5台+1社 AUTOCARアワード2018

公開 : 2018.05.27 10:10  更新 : 2021.03.05 21:37

イノベーション・アワード:ウエストフィールド

バッテリー駆動の自動運転ポッドを開発

1950年代スタイルの組立自動車で有名な会社にイノベーション・アワードを贈呈するとは、と怒り出す人もいるかもしれない。しかしウエストフィールド以外にはありえないのだ。

ウエストフィールドのスポーツカーは、市販車の中で最も軽く運転の楽しみに特化したクルマだ。一方、新しいバッテリー駆動の自動運転ポッドは、車輪が4つであること以外、スポーツ250のようなクルマとはおよそかけ離れている。ウエストフィールド・オートノマス・ビークルという子会社が設計・製作した6座のポッドは、混雑した市街地、大学のキャンパス、ビジネスパーク、空港やショッピングセンターで使われることを想定しており、既に800万km以上の実走行試験をこなしている。

ウエスト・ミッドランズは2018年に1台15万ポンド(2200万円)の自動走行シャトルを100台調達する予定だ。需要にこたえるため、昨年ウエストフィールドは社員を2倍に増やした。

ウエストフィールドは、新種のスポーツカーとそれに搭載するハイブリッドと電動のパワートレインも開発中だ。今年後半に生産が始まる予定のライトウエイト・クーペとロードスターにはGTMのバッジがつく。価格は3万ポンド(440万円)程度で、従来の内燃機関エンジン、小型軽量のヴァンケル・ロータリー・エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド、または純粋なEVという3種類のパワートレインが選択可能だ。

ウエストフィールドが進める両極端のベンチャー事業は、やがていつの日かひとつに交わるだろう。社長のジュリアン・ターナーは、GTMスポーツカーが完全自動運転の機能も備えるときがやってくると思っている。ふたりのユーザーの間を自動で行き来するのではないかと考えている。

ウエストフィールドは、絶望的に時代遅れのクルマで後ろ向きのビジネスを行う会社ではまったくない。とても輝かしい未来をもった最先端の企業なのだ。

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