エンジニア部門 デビッド・トゥウィッグ(アルピーヌ) AUTOCARアワード2018

公開 : 2018.05.27 00:10

シリコンバレーへ移籍

いちばんの難題だったのは? 彼によればゾエもA110も、方向性はまるでちがうが「とほうもない大仕事」だったという。「2007年にゾエの企画をはじめたころは、EVなんてまだまともに取りあってもらえませんでした。比較対象になる手に入りやすいクルマは、日産リーフしかありませんでした。ゾエにまつわる特許は70以上ありますが、これは大量生産車としては異例です。技術者何百人もで開発にあたりました」

アルピーヌは、全く正反対の純粋なスポーツカーです。チームは定員の130人だけでしたが、みんなこの神話的なブランドにぞっこんでした。クルマとその数字のもたらす雰囲気もです」

そしていま、「技術者としての挑戦は終わりました」と語るトゥウィッグの、アルピーヌでのひとときも終わろうとしている。中国資本のEVブランド、バイトンが送りだす初のクルマで手腕を発揮するべく、遠くシリコンバレーへ移るのだ。476psをほこるこの電動SUVは来年お目見えの予定だ。

だからといって、トゥウィッグのクラシックカーへの愛情が冷めてしまうわけではない。大西洋を渡るまえはルノー・クリオ220トロフィーを日常の足としていたし、「休日用」としてヒストリックカー・ラリー用に所有するポルシェ911 SCはいま彼を追ってカリフォルニアへむかっているところなのだ。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事