メルセデス・ベンツSLSエレクトリック・ドライブ
公開 : 2013.03.09 16:56 更新 : 2017.05.13 12:52
■どんなクルマ?
世界最速のEVだ。その価格が302,000ポンド(4,320万円)+税と非常に高価なこのモデルは、トップ・スピードはリミッターで250km/hに制限されるが、0-100km/h加速は、直前に試乗したSLS AMGブラック・シリーズよりも僅かに0.3秒遅い3.9秒というタイムを叩き出す。しかし、驚きなのは、このSLSエレクトリック・ドライブは、そのボディ・ウエイトが、通常のSLS AMGよりも560kg重い2110kgという重さにもかかわらず、このタイムをマークするということだ。
そのバッテリーは60kWh、548kgという重さで、ブリックスワースにあるメルセデス・ベンツのハイ・パフォーマンス・エンジン・ディビジョンで制作されたものだ。
■どんな感じ?
間違いなくSLSエレクトリック・ドライブは速いクルマだ。メルセデス・ベンツの公式発表によれば、それぞれのタイヤには185bhp、25.4kg-mのパワー、トルクを発揮する電気モーターが付けられている。その合計は、740bhp、101.8kg-mと、歴代メルセデスで最も強力な値だ。
従って、強力なSLS AMGブラック・シリーズを試乗した直後であっても、そのシートバックに押し付けられるような加速にはただただ驚くばかりだ。想像して欲しい。スロットルを踏んだ瞬間に、ブガッティ・ヴェイロンと同じだけのトルクが発生することを。
そして、それは、例え明日ガソリンが枯渇したとしても、ハイ・パフォーマンス・カーが存在し続けるという証明でもある。
最も興味深いのは、そのハンドリングをコントロールする方法だ。その方法とは、4つのホイールに付けられているモーターを、最新のエレクトロニクスによって監視し、そしてそのトルクをコントロールするという方法なのだ。その結果、若干オーバーステア気味であるが、機敏なハンドリングをもたらしてくれるのである。
■「買い」か?
SLSエレクトリック・ドライブは、恐ろしく速いクルマだ。しかし、400ボルトのバッテリーに充電するまで3時間かかることと、その航続距離が250kmしかないのが、現時点では残念なところだ。だが、その将来性は非常に有望だ。
(グレック・ケーブル)