ジル・ヴィルヌーヴが所有 フェラーリ308GTS 3529万円で落札
公開 : 2018.05.28 07:10 更新 : 2018.05.28 14:56
マシンをねじ伏せる豪快な走りで知られる伝説のドライバーが「ジル・ヴィルヌーヴ」。彼がプライベートで楽しんでいたフェラーリ308GTSが、優勝を遂げたモナコGPゆかりの地でRMサザビーズ・オークションに出品。3529万円で落札されました。
text:Kazuhide Ueno(上野和秀) photo: RM Sotheby’s Auctions/Scott Pattenden
ヴィルヌーヴが所有 ヒストリーとして評価
フェラーリのミドシップ8気筒モデルの始祖として、ここにきて再び注目される存在となってきたのが308GTB/GTSシリーズだ。世間的にはグラスファイバー・ボディを備える初期型のヴェトロレジーナが評価されているが、RMサザビーズ・オークションに特別なヒストリーを持つ308GTSが出品された。
クルマ的には普通の308GTSだがファーストオーナーが特別なのである。往年のタツィオ・ヌヴォラーリを思わせるアグレッシブな走りがエンツォ・フェラーリの目に留まり、1977年にスクーデリア・フェラーリ入りをしたジル・ヴィルヌーヴがプライベートで使用していたフェラーリ308GTSだ。
今も昔もスクーデリア・フェラーリのドライバーや幹部には好みのモデルが与えられ、オークションでもナイジェル・マンセルが所有していたF40や、ジャン・トッドの所有車が何台か姿を見せている。
ジル・ヴィルヌーヴは、1978年からパーソナルカーとして使用していた。当時ヴィルヌーヴはモナコに住んでおり、マラネッロまでの432kmを2時間25分で駆け抜けたという伝説が残っている。お気に入りだった308GTSは、1982年にゾルダーで行われたベルギーGP予選中のアクシデントで亡くなる前まで愛用されていた。