トヨタ・カローラ・ハッチバック 2018年型に試乗 価格次第で目玉商品に
公開 : 2018.05.31 23:59 更新 : 2021.01.28 16:58
「たしなむ程度にスポーティ」
もっとも、この操縦性は新型ダンパーがもたらしたものではなく、シャシーそのもののポテンシャルによる。電子制御可変ダンパーのAVSを装着したモデルでも大差ない。
「スポーツ/スポーツ+モード」の選択では高めの減衰力で制御され、挙動や操舵追従が引き締まる。切り返しの時のロール速度抑制も向上する。でも、ステア特性は何時だって「弱アンダーステア」である。
およそ60度くらいの角と曲がる1コーナー(A1ルート)に120km/hくらいから全制動で飛び込んでも、90km/h強で空走に近いスロットルオフで飛び込んでも、ほぼ同じラインを維持できた。VSCの安定制御も効いているのだが、サスの素性のよさがあればこそ。余談だがVSCが介入しても違和感はない。
標準サスとAVSの主な違いは乗り心地とメリハリ。標準サスに比べるとAVSの乗り心地はざらつく、あるいはちょっとゴツゴツしている。
挙動や操舵感はメリハリと合わせて、程よくスポーティな味わいというレベル。乗り心地との按配の付け方が巧みで、スポーティ仕様としては少々薄味な印象もあるものの、「たしなむ程度にスポーティ」は大人っぽい落とし所である。
パワートレインの特性はC-HRと大きな違いは見られなかった。アクセル開度の浅い領域ではエンジン回転数変化と速度の一致感もあるが、全開近くではCVT感ばりばり。そこに違和感を覚えるかは個人的な問題だが。
C-HRにはないMT仕様はちょいと好奇心を刺激してくれた。「スポーツ/スポーツ+モード」選択時には変速時のエンジン回転合わせ(ブリッピング)を自動制御。前記した高速からの全制動飛び込みコーナーで、コーナリング中に制動をじわりと抜きながらダウンシフト、なんて走り方では実に有り難い。
ちなみに欧州仕様のiMTでは独立したスイッチで選択できるとのこと。普段走りやエコ運転にも便利なので、他走行モードでも選べればと思うのだが。