現代に復活した名車たち 後編
公開 : 2018.06.03 06:10 更新 : 2019.05.04 13:03
シェルビー・アメリカン製デイトナ・コブラ・クーペ
レースカー製作で成功を収めたキャロル・シェルビーは、1964年のル・マンに向け壮大な計画を練っていた。それはコブラのシャシーを延長し、フォードV8に代えて当時のNASCARマシンのパワーユニットを搭載したクルマ。
シェルビーの秘密兵器と期待された、ビッグブロックを積むそのコブラ・デイトナはしかし、サルテ・サーキットで本領を発揮できなかった。
その理由が、運搬中のトラックが事故に遭ってダメージを負ったためだというのは、不運としか言いようがない。
2017年、シェルビー・アメリカンはその1964年仕様のデイトナ・クーペを6台のみ再生産するプランを発表。いずれもボディはアルミで、550psオーバーの7.0ℓV8で4段MTを介して後輪を駆動する。まさに、シェルビーが造りたかったクルマを現代に甦らせる計画だ。
価格は発表されなかったが、安いクルマでないことは明らかだった。彼らはこれ以前、50周年にあたり、グラスファイバーボディのデイトナ・コブラ・クーペを50台製造しているが、その価格が17万9995ドル(1960万円)で、アルミボディに仕様変更した場合は34万9995ドル(3800万円)に跳ね上がったのだから。