アストン マーティンDB11 AMR V12最後のモデル GTのキャラ維持、動力性能は鋭く
公開 : 2018.06.04 11:50 更新 : 2018.06.09 08:25
素晴らしいサウンド 大きさと重量には不満
ではエンジンはどうだろう? 30psのパワーアップに気付かなくとも、このクルマの加速の凄まじさには目を見開かされるだろう。このV12はどの回転域からでも、とてつもないパワーとトルクを発揮する。
エンジンサウンドも強烈だ。ターボエンジンの場合、せっかくのサウンドがくぐもったようになることもあるが、アストンはどうやらDB11 AMRのエグゾーストから吐き出されるサウンドを、豊かで素晴らしいものにするべく調律してきたようだ。
こうしたすべてによって、DB11 AMRはベースモデルから長足の進歩を遂げたが、それでもまだ完ぺきというわけではない。
ステアリングは正確だがダイレクトさに欠け、前方視界も高さのあるスカットルと長いボンネットによって褒められたものではない。さらに、そのボディの大きさゆえに、DB11 AMRは乗りこんで直ぐに運転が楽しめるようなクルマでもない。自信をもってDB11 AMRを運転するには、徐々にドライバーがこのクルマに慣れる必要があるのだ。
さらに、このクルマの重量も無視する訳にはいかない。V8モデルよりもおよそ100kgも重くなっているのだ。DB11 AMRでタイトコーナーへ突っ込んでみれば、V8モデルであれば難なく通過できるラインも、その重量がコントロールを難しくしていることに気が付く。
それでも、タイトコーナー以外で、DB11 AMRがその重量を意識させることはない。