ロードテスト アストン マーティン・ヴァンテージ ★★★★★★★★★☆
公開 : 2018.06.16 10:10
内装 ★★★★★★★★★☆
新型ヴァンテージに乗り込もうとすれば、そこが運転することに根差した空間だと感じられるだろう。先代モデルでは高く座らされているように感じたが、新型は低く寝るように身を置くことができる。ステアリングホイールは胸の前にあり、高いショルダーラインに包み込まれる。
その結果、割を食うのが視認性だ。スカットルは相対的に高くなり、グラスハウスが狭いので、いくつかのライバルより視界が妨げられるのだ。
とはいえ、キャビンはリッチかつラグジュアリーで、魅惑的だ。うまくまとめられたインテリアは、スイッチ類や構造部材にダイムラーから供給されたパーツをDB11以上に用い、これまで見たことがないほど多くのスイッチ類が配置される。
空調操作は、DB11ではセンタークラスターの黒いスリークなタッチパネルを使ったが、ヴァンテージはガラスのエンジンスタートボタン近くに並んだノブやボタンで行う。そのエンジンスタートボタンを頂点に、トランスミッションのスイッチが矢印状に並ぶ。これまでのアストンでは肩の高さに並んでいたそれらは、センターコンソールのよりアクセスしやすい高さへ移された。
その下には、ショートカットボタンが列をなす。インフォテイメント・システムやパーキングセンサー、ハザードランプ、アイドリングストップ、ダイナミック・スタビリティコントロールのそれだ。各種システムをオン/オフするのに、インフォテイメントのサブメニューをいちいち呼び出す必要はない。これは重畳だ。
収納スペースは多く、棚のようなドアポケットや十分なサイズのアームレストの小物入れ、小さなバッグなどが置けるシート背後の浅い棚などが備わる。荷室はリフトバック式のハッチから容易にアクセスでき、幅はハーフセット程度のゴルフクラブなら収まり、長尺物を積む際には前後長を伸ばすことができる。これらによってヴァンテージは、スーパースポーツカー・クラス屈指の使い勝手を手に入れている。