オペル/ヴォグゾール、17年間で2兆円の損失 親会社PSAどうする?

公開 : 2018.06.17 18:10

製品整理でコスト削減

一見簡単そうな問題についても同様である。経営がPSAに変わってから最初にやったことは、製品提供の整理だった。

オペル-ヴォグゾールのCEO、マイケル・ロシェラーは「インシグニアを買われるお客様には、27種類ものステアリングを用意していました。ところが、90%近くのお客様が2種類のうちどちらかを選んでいたのです。それでもわたしたちは他の種類のも仕入れて保管し、在庫管理をしていたのです。とても複雑で、非効率でした」と話す。

ロシェラーはGMを批判したいのではなく、2020年までに2%の利益目標を達成できると彼が信じている根拠をこの事例で示したかったのだ。同社がこれまで割引を実施してきた理由のひとつは、親会社が変わってからの5カ月間、つまり2017年末までにランニングコストを見事に17%削減できたことを祝うとは言わないまでも、感謝しているからだ。

とはいえ、まだ手放しで喜べるわけではない。先月発表された業績で、ヴォグゾールとオペルが依然として親会社に1億6000万ポンド(230億円)の損失を与えていることが明らかになった。

それを挽回するためにも、新製品を発表する必要があるのだ。そうすればディーラーは最新かつ最高の製品を扱うことができる。

さらに、バーンスタイン・リサーチの上級アナリスト、マックス・ウォーバートンが強調するように、生産するクルマ1台につき約620ポンド(9万円)を削減するという目標に向かって会社が突き進んでいくことができるからだ。

PSAの小型車プラットフォームに合わせた設計に変えるため次期コルサの発売を遅らせたり、次期アストラがプジョー308の足回りを使うのは、ひとえにコスト削減目標に向けてのことである。

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