キア・カレン1.7ディーゼル
公開 : 2013.03.12 17:47 更新 : 2021.03.05 21:37
■どんなクルマ?
この新しいキア・カレンは、その韓国のメーカーのメインストリームになるモデルだ。この7シーターのニュー・カレンは、魔術師ピーター・シュライアーのデザイン・タッチと、求められるモダンなシャシー、そして効率的なエンジンを兼ね備えたクルマである。しかも、これは前カレンのリプレイスという意味だけではなく、より大きなセドナにも変わるモデルでもあるのだ。
■どんな感じ?
前のカレンとは全く異なるモデルだ。以前のカレンは実に平凡なクルマで、その戦略的な価格のみが目立ったクルマであった。それよりはずっと進歩している。
しかし、視覚的にはシードやスポルテージほど個性的ではない。とはいうものの、TESCOの駐車場で、他のクルマと見分けることのできるだけのデザインは施されている。
インテリアは、中央に備わるタッチ・スクリーン・ナビゲーションをはじめ、本当に良質な感じで設えられている。じっくり見るとハードなタッチな部分もあるが、平均的なカレンの使われ方を考えると、充分に納得がいくもの。
7シーターの内部は、前方の助手席と、中央のシート、そして3列目のシートが折りたたみ可能だ。実は、この新しいカレンは、以前のモデルよりも僅かに短く、幅も狭くなっている。しかしホイールベースが長くなった分、前モデルよりも余分な数mmを生み出しているのだ。
英国では114bhpか134bhpの1.7ℓディーゼル、そして133bhpの1.6ℓガソリンの3つのエンジンが用意される。試乗したのは、強力なディーゼル・モデルで、トルクは33.6kg-m。標準的な6速マニュアル・ギアボックスで1516kgのボディを引っ張る。
トルクは充分で、ギア・レシオも適切。シフト・フィーリングも良い。洗練されたディーゼル・エンジンで、われわれがテストした南フランスの丘陵地帯でも、トルク不足を感じることはほとんどなかった。
ただし、そのステアリングには大きな問題がある。フレックス・ステアのセッティングがあまりにも漠然としたフィーリングなのだ。それは、モードをスポーツにしても大きく変わることがない。
ボディ・ロールはよくコントロールされている方で、よろめいたりすることはない。また、その乗り心地も、街中では少しガタガタするが、速度があがるにつれ改善される。その乗り心地は決して不快なものではない。シードに採用されているマルチ・リンク・リア・セスペンションではなく、シンプルなトーション・ビームとなるが、それほど破綻をきたしてはいないようだ。
■「買い」か?
キアにとって、この新しいカレンはショールームの隅にディスプレイするクルマではない。見栄えの良いエクステリアとインテリアを持ち、柔軟で広々とした室内、まずまず快適なドライビング・フィールを持ち、経済的で、しかも英国では7年という保証が付く。
問題はそのライバルだ。この市場にはフォード・グランドCマックスが控えているのだ。カレンの価格は、まだ正式に発表されていないが、その価格が発表されてからが本当の勝負となろう。
(マーク・ティショー)
キア・カレン1.7ディーゼル
価格 | 21,500ポンド(309万円) |
最高速度 | 192km/h |
0-100km/h加速 | 10.4秒 |
燃費 | 20.0km/ℓ |
CO2排出量 | 132g/km |
乾燥重量 | 1516kg |
エンジン | 直列4気筒1685ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 134bhp/4000rpm |
最大トルク | 33.6kg-m/2000-3500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |