車両火災 ひとりの一般男性が突き止めた真実 重大リコールへの顛末
公開 : 2018.06.30 19:10
最初のリコール 再びの車両火災
DVSAの承認を受けて、2015年12月初旬にヴォクゾールは、リコールには該当しない「自主的な」対応として、ザフィーラBのヒューズ交換を行うと発表した。そして、結局、数カ月後には本格的なリコールを実施したが、これはブロワーモーターの点検を追加しただけのものだった。ダンは、このリコールついて、単なる目視点検であり、ほとんどなにもわからなかっただろうと指摘している。
「DVSAにはヴォクゾールにきちんと質問するだけの専門的な知識が無かったのです」とダンはいう。「ヴォクゾールは単に『これが不具合の原因であり、対応を進めている』として、車両火災に対する第三者の修理方法を非難しました」
ヴォクゾールは、調査を行ったザフィーラで損傷したヒューズが多く発見されたことから、ヒューズが原因だと判断したと説明している。「車両の安全を確保する必要がありましたが、ヒューズが交換されていたために、真の原因がわからなくなっていたのです。ですから、ブロワーモーターを含め、調査の範囲を拡げる必要がありました」と同社広報は話す。
DVSAによるこのリコールの許可は、直ぐに誤りだったことがわかった。2016年初頭、リサ・アダムスは息子を迎えに行くため、所有するザフィーラを彼の学校のそばに駐車したが、校庭で息子を待っていると、同じように子どもを迎えにきた親が急いで彼女のところへやってきて、ザフィーラが燃えていると知らせたのだ。
「ザフィーラの火災事故の件は知っていたので、直ぐに自分のクルマが燃えているのだと思いました」とサセックス州ワージング在住のリサは話す。「でも、ほんの数カ月前にリコールによる検査を受けていて、ディーラーからは問題無いと言われたことを思い出したので、実際に自分のクルマが燃えているのを見て、とても驚きました」