車両火災 ひとりの一般男性が突き止めた真実 重大リコールへの顛末

公開 : 2018.06.30 19:10

2度目のリコール 議会も注目

消防からの第一報で、発火場所は車両のヒーターと換気システム周辺だとされた。この報告書の担当者は、当時ザフィーラの火災事故に注目していたので、リコールを担当したヴォクゾールのディーラーへ連絡してみた。消防の広報担当は「クルマは理由なく燃えることがありますが、リコールの対象車両だったことに疑念を抱いています。ヴォクゾールは、リコールと無関係であることを祈っていたでしょう」と話している。

2016年5月、複数の第三者テストが実施され、その中のひとつでは、ダンも水の浸入がブロワーモーター腐食の原因となったことを確認しており、DVSAはヴォクゾールに、新たなリコールの必要性を指摘した。そして、今回のヴォクゾールの対応には、ブロワーモーターの交換と、レジスターの型式変更、さらに、ウインドスクリーン下端にモールディングを追加することでの水の浸入防止対策までが含まれていた。

この対応の背景には、フェイスブックのグループによるザフィーラ車両火災事故への抗議の声が高まったことで、下院交通委員会が調査に乗り出したことがあった。2017年2月には、ダンから火災事故の原因を詳細に記した資料が、ヴォクゾールによる問題調査とザフィーラのリコール対応、さらに車両オーナーに対する応対を批判したレポートとともに提出された。

2017年4月、委員会は、ヴォクゾールとDVSAによるザフィーラ車両火災事故への対応を批判する報告書を公表している。

「聴聞は公正に行われたものの、重大リコール対象となった車両の検査をより厳格にするようMOT(英国の法定点検)制度に変化をもたらすには、関係する各政府機関に、さらなる働きかけが必要だと考えている」とヴォクゾール広報は声明を発表した。

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