ジャガーI-PACEに試乗 グレードは「EV400S」 初の完全EV、評価は?
公開 : 2018.06.22 10:10
50:50の前後重量配分
BEVの基本はそれほど難しいものではない。BEVとは現在存在するもっとも格安でシンプルな構造の車両だとすらいえる。現在の内燃機関を搭載したクルマでさえ、大量の電気モーターを搭載しているではないか。しかし、詳細を見るとそう単純ではない。
I-PACEのようなEV車について、ジーバートは一種のスケボーのようだという。バッテリーが車軸間に搭載され、ジャガーであれば2基のモーターによって走行する。
モーターには10種類以上の特許が取得されているが、これは永久磁石とDC-ACインバータを使用している。ACケーブルを可能な限り短くすることで高効率化を実現するのだ。非効率なモーターといっても高効率なモーターの90〜95%程度という小さな差だが、そこが重要である。近い将来には、ジャガーはインバータをモーター内部に搭載することを検討している。
そして、ジャガーはモーターを1基ではなく2基とすることで、車軸の位置の自由度を上げることに成功した。おそらく、ひとつのモーターで駆動するためには後軸をより前方に配置する必要があったのだろう。
これにより、4WD化と50:50の前後重量配分を実現するとともに、タイヤを車体の四隅に配置することに成功した。「I-PACEをシャシー構造による制約無しでデザインすることができました。そしてこれはSUVであり、大径ホイールを履かせることができます」と彼は微笑んだ。