緊急自動ブレーキシステム 路上での過信は禁物 すべてはプログラム次第
公開 : 2018.07.07 12:10 更新 : 2018.07.07 14:29
ますます搭載車両が増える緊急自動ブレーキですが、専門家によれば、実際の路上では条件により、テストのときほどの効果が発揮できない場合があるようです。有効なシステムとは認めつつ、過度に依存しすぎることへの警鐘が鳴らされています。
もくじ
ー 緊急自動ブレーキ 万能ではない
ー 障害物により動作に違い システムへの理解が必要
ー 緊急自動ブレーキへの評価
ー システムの出来はプログラムで決まる?
緊急自動ブレーキ 万能ではない
いくつかの新型モデルに搭載されている最新の緊急自動ブレーキや衝突警報システムは、テストのときほどの効果を実際には発揮できないかも知れないと、このシステムに詳しい専門家は話す。
先週、欧州委員会は欧州市場で販売されるすべての新車が準拠すべき安全基準改定案の検討に着手した。このなかで、緊急自動ブレーキは2021年以降の義務化が検討されている。
車両実験コンサルタント会社Moshon Dataのトップを務めるスティーブ・ボイルは、積極的にこの技術の導入を進めるメーカーがある一方で、なかには、ユーロNCAPのクラッシュ・テストをパスするためだけに、対応するメーカーもいるだろうと考えている。
「ボルボは非常に真剣ですが、他のメーカーのなかには、最小限の対応で最高の安全性評価を得たいと考えているところもあります」とボイルはいう。
「前方障害物を検知すると、車両を停止させるスバルのステレオカメラを使ったシステムは非常に優れたものです。しかし、緊急自動ブレーキのなかには、雨では上手く作動しないものも見たことがあります。われわれが実施したテストでも、全く停止しない車両がありました」
ユーロNCAPをパスした多くの緊急自動ブレーキシステムが、実際の路上では上手く作動しなかったり、テストで使用している標準の障害物以外では、機能しない例をボイルは見てきた。