緊急自動ブレーキシステム 路上での過信は禁物 すべてはプログラム次第

公開 : 2018.07.07 12:10  更新 : 2018.07.07 14:29

障害物により動作に違い システムへの理解が必要

昨年12月、オランダ政府は、2015年にトラックとバスに対して緊急自動ブレーキの装着義務化を行ったにもかかわらず、道路工事現場での事故が思ったほど減っていない理由を調べるため、テストを実施した。

「メーカーの異なる6台のトラックと、12の障害物を準備しました」とボイルは話す。「障害物には、コンテナ付きとコンテナ無しのトレーラーヘッド、タンクローリー、オートバイ、路肩に停車中のパトカーと、フロントをこちらに向けたクルマが含まれていました」

「さらに、ユーロNCAPでも使用されているダミー車両と、リフレクター付きのゴム製支柱(レーダーで検出できるように角度を付けてリフレクターを取りつけた小型のもの)を準備しました。

その結果、88%のトラックがダミー車両を認識しましたが、トレーラーヘッド、レッカー車と低床トレーラーは多くが検知できませんでした。さらに多くのトラックにとっては、タンクローリーよりも、支柱に設置したコーナー・リフレクターの方が検知し易かったのです」

「緊急自動ブレーキは効果的なシステムです。それでも現時点では、優れた技術ではあるものの、さらなる改善が可能であり、使う側もこの技術についてより理解を深める必要があると言えるでしょう。ユーロNCAPは任意の非常に限定的なテストです。試験場での結果も重要ですが、問題は実際の路上での効果です」

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