一般道でも自信を持って攻め込める

さらにスプリングレートの高さは、剛性の高い安定したプラットフォームを持っている裏付けでもある。ボディコントロールの水準も、他のスーパーサルーンに属するモデルから一歩秀でた仕上がりで、ステアリングレスポンスのシャープさも驚異的。

サーキットに主眼を置かれたクルマの場合、ウェットコンディションや荒れた一般道での振る舞いには期待できないことが多いが、プロジェクト8なら、難しいコンディションにおいても、自信を持って右足に力を入れられるだろう。

サーキットに踏み入れれば、コーナーをいくつか曲がっただけで、このクルマが他のスーパーサルーンとは一線を画していることが、すぐにわかる。ただし、他のクルマはここまでアグレッシブな設定でもないし、高価格でもないけれど。

むしろ、スーパーサルーンという領域のクルマではないと気付いた。ドアは4枚あるが、ポルシェ911 GT3 RSや BMW M4 GTSのようなクルマに近いのだと思う。

コンフォートとダイナミックモードとを切り替えても、アダプティブダンパーは期待するほど変化はしない。しかしトラックモードを選択すると、明らかにアグレッシブさに拍車がかかる。ボディーロールは制限され、上下動も抑え込まれる。レスポンスの鋭さにも一層磨きがかかる。

プロジェクト8にソフトなサーキット向けのタイヤの組み合わせだから、グリップレベルも凄まじいのだが、加えてステアリングは直感的で正確性も高い。コーナーの入口からコーナー内側の頂点、エイペックスを抜けるまで、クルマは完璧なバランスを披露してくれる。

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