試乗 トヨタ新型クラウン・プロトタイプ ハイブリッド車/2ℓターボ車を比較評価

公開 : 2018.06.09 00:00  更新 : 2021.01.28 17:04

「試乗」ハイブリッド車 EVモードは?

まずは新型車でも主力となるハイブリッド車。電動走行の最高速度はハイブリッド車の気になる点のひとつ。EVモードを選択してゆっくりと速度を高めていくと60km/hを超えるくらいで「制限速度超過」で解除された。低速でゆっくり走らせれば頻繁に電動走行へ移行するが、従来モデルと目立った違いはない。2.5ℓ/3.5ℓともに電気自動車濃度はそれほど高くない。

新開発エンジンの特徴として高熱効率域拡大があり、それはエンジンを積極的に駆動に用いることを意味する。実際に走らせていても従来車あるいはこれまでのTHS II車のようにエンジンと電動モーターの二人三脚の印象は低下した。少なくともドライブフィールではエンジンが主、電動が従という感覚である。

低負荷域ではエンジン回転を抑え、負荷増大に応じてエンジンの使用回転域を高めていく。それでも2.5ℓ車は従来のTHS IIに近いエンジン制御。余裕のある負荷域ではステップ変速的に振る舞うが、高負荷域ではシリーズ式あるいはCVT車のような印象が強くなる。

これに比べると3.5ℓ車は内燃機の高性能感が色濃い。アクセルペダルへの加減速追従のよさは電動が為せる業だが、エンジン回転上昇とともにぐいぐい加速していく様は高性能な内燃機車のもの。マニュアル変速でリズミカルに刻むのも楽しく、「スプリット式はCVTのようなラバーバンドフィールが云々」を払拭するに十分である。逆に言えば加減速反応と電動走行以外ではハイブリッド感が希薄とも言える。

 

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