試乗 フェラーリ488ピスタ 価格1050万円の上乗せ +50psも不変の親和性

公開 : 2018.06.14 10:10  更新 : 2018.06.14 14:10

サーキットを主眼にした特別仕立てのフェラーリのロードカーは、期待を裏切ることはめったにないとする、マット・プライヤー。しかし、マクラーレン720Sやポルシェ911 GT3より優れているのでしょうか? 新しく誕生した720psを発生する488ピスタを、モデナでテストしました。

もくじ

どんなクルマ?
間違いのないスポーツカー
使用素材を厳選し90kgの軽量化
通常の488GTBと変わらぬ乗りやすさ
どんな感じ?
フィオラノでは458スペチアーレより2秒速く
一般道でも不安感のない足回り
親和性は高く、楽しさに溢れている
「買い」か?
488の次期型にさえなり得る
スペック
フェラーリ488ピスタのスペック

どんなクルマ?

間違いのないスポーツカー

多くの自動車メーカーは、多かれ少なかれ、ひとつくらいは疑問に持つようなモデルを出すものだ。しかし、間違いのないスポーツカーがふたつある。ポルシェ911GT3 RSと、ミドエンジンにV8を搭載したスペシャルシリーズのフェラーリ。この2台は、期待を裏切らない。

わたしが思うに、恐らくこれらのモデルは、技術者が生み出した純粋なクルマだからだろう。2003年、ポルシェはふたつのサスペンション・リンクのホモロゲーションを取得する目的で、911 GT3 RSを初めてリリースした。また同じ2003年に登場したミドシップのスペシャル、フェラーリ360チャレンジ・ストラダーレも、チャレンジ・レースシリーズを正当化することが目的だった。それ以降、後継モデルが繰り返し登場しているが、評価が落ちたことは今までない。

そして、最新のフェラーリ488ピスタ。

ピスタとはイタリア語で「トラック(サーキット)」や「道を開けろ」といった意味だが、どちらも間違いではなさそうだ。

名前の通り、モータースポーツとの関わりがあるのは明らか。ピスタに搭載されるエンジンは、GT3 RSと同様に、事実上、488チャレンジのレースカーに搭載されているものと同じ。レシピは従来通り。標準の488GTBよりもさらに50psほど上乗せさたマシンで、ワンメイクレースを行い、仕上げにスペシャル・バージョンとして市販化するのだ。

ただスペシャルといっても、生産台数が限定されるわけではない。ピスタは、販売中の488のモデルラインナップに追加されることになる。V8エンジンの3.9ℓの排気量はそのままだが、レブリミッターに当たる8000rpmで発生する最高出力は、720psにまで増強。最大トルクは78.3kg-mを3000rmpで発生する。

ただし、この最大トルクは7速のみの数値で、より低いギアでは制限される。例えば発進加速時などは、最もスポーティな味付けのターボエンジンではあるものの、ターボの効きを弱めて、自然吸気に近いフィーリングになるように設定されている。

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