試乗 フェラーリ488ピスタ 価格1050万円の上乗せ +50psも不変の親和性
公開 : 2018.06.14 10:10 更新 : 2018.06.14 14:10
どんな感じ?
フィオラノでは458スペチアーレより2秒速く
最初のテストドライブは、フェラーリのフィオラノ・サーキット。このピスタは、458スペチアーレのラップタイム、83.5秒よりも、さらに2秒も速く周回する。飛躍といって良いだろう。
もちろん、スペチアーレよりも優れた数字が並び、0-100km/h加速は2.85秒で、200km/hまでの加速ですら7.6秒。スペチアーレはそれぞれ3.0秒と9.1秒だから、目を見張るパフォーマンスだといえる。
場所を選ばず速いにもかかわらず、GTB以上に恐れる必要がないということも、すぐにわかった。ステアリングシステムはGTBと同様。アンチロールバーにも変更はなく、わずかにスプリングが硬くなっており、車高も若干下げられている程度。
GTBが持つ親しみやすい性格は、ほとんど損なわれていないといって良い。ピスタが履く新しいソフトなタイヤはサイドウォールの剛性が高く、ステアリング・レスポンスも神経質などころか、むしろ安定しているほど。わたし好みではないのだが、フェラーリのステアリングレシオはかなりクイックで、ロックトゥロックが2.0回転となる。
つまりGTBと似たハンドリングなのだが、圧倒的に速い。車重を減量したことによって、もともとコーナリングが得意だったクルマは、さらに機敏になった。このフェラーリは電子制御のeディファレンシャル(E-Diff)に加えて、ソフトウエアが見直された最新のサイドスリップ・コントロール・システムも搭載している。
適度なスピードでのコーナリングなら、デフがリアタイヤを引きずる印象もなく、ピスタは非常に美しく曲がっていく。しかし一度パワーを加えれば、強力な駆動力を発揮。トラクション・コントロールがオフなら、リアタイヤはトルクに負けてスライドしたがるが、サイドスリップ・コントロール・システムが、柔軟な姿勢制御を許してくれる。