初試乗 ポルシェ・マカン・プロトタイプ 新型、細部の変更で熟成深まる
公開 : 2018.06.15 10:10
エンジン変更でパワー増強 ディーゼルは廃止
最も大きな変更点はボンネットの下に隠れている。ベースグレードのマカン、マカンS、そしてマカン・ターボは技術的に大きくアップグレードされる。一方、ポルシェの方針で、ディーゼルのマカンが今後姿を消すのは悲しい限り(ハイブリッド・モデルのうわさもあるが、現行世代での登場は少々無理があるように思う)。
ベースグレードに搭載されるエンジンは現行と同じ2.0ℓターボ。ただし、出力は従来の251psから、VWゴルフRに搭載されるものに近い300psほどになる模様だ。税金や燃費の面から見ても、大人気だったディーゼルが廃止されることで、このパワーアップしたガソリンのベースモデルの重要度は今後増していくことだろう。
一方、マカンSとターボには新型エンジンが搭載されるが、3.0ℓV6であることは変わらず、一見して新型エンジンだとは気づかないかもしれない。しかしパナメーラにも搭載されているこの次世代V6は、Vのバンク内にターボを収める設計で、エミッション性能が向上している。パワーも現行の340psから360ps程度に向上し、トルクも大幅に増強されている。
つまり、簡単に言えば、次期マカンSは現在のマカンGTSと同じようなポジションに収まる。ポルシェの手法に変わりがなければ、それぞれのグレードに明確な差をつけた上で、残りのラインナップもいずれ登場するだろう。
マカン・ターボにもSと同じエンジンが用いられるが、排気量は2.9ℓになる(この差はパワー増に応じてクランクが強化され、その分ストロークが短くなったためだ)。現行の3.6ℓ400psから440psまで高められ、これはオプションでパフォーマンス・パックを選択した現行モデルとちょうど同じである。このパック搭載車の0-100km/h加速は4.4秒で、新型マカン・ターボもこれと同等のタイムだろうと予想される。